中学校のバスケットボール部の部長、守安但は憧れの先輩でした。
いつも体育館で練習している姿を遠巻きに見ている女子も何人かいたように記憶しています。
スポーツマンらしく熱血少年で、バスケットにかける意気込みはすごかったのです。
毎朝、個人で朝練をしていて、シュート練習をしていた姿が目に焼き付いています。
バスケットのゴールは体育館に4か所あるのですが、守安但が使っていたのはいつも同じ場所のゴールでした。
そして、バスケット部コーチの先生から聞いたのですが、彼が練習している場所だけ、他の場所よりも早くゴールネットが切れるというのです。
ゴールのリングからぶら下がっているネットは、摩擦が繰り返されればいつかは擦り切れるものですが、それがいつも決まって一か所だけ早く擦り切れるのですね。
守安但のシュート回数がそれだけ多かったということですね。
コーチがいない時でもチームをまとめて頑張っていた姿も、まさに熱血の人と呼ぶにふさわしいものがありました。